こんにちは!ワタルです!
前回、前々回と本多静六翁の貯蓄法と投資法について特集してきました。
今回は第三回ということで、その他の本多氏の考えについて共有していきたいと思います。
投資に関連することから処世術のようなものまでありますが、過去の偉人の話として耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
事業を行うには調査が大事
何事も事業を行うには調査が第一ですが、これをケチれば大きな事業を成し遂げることが出来ないという考えを満業社という会社の社長の鮎川氏から聞いて感銘をうけたそうです。
今では聞いたことない企業ですが、満州重工業開発という終戦まであった会社の社長の謹言ですね。
これは投資にも通ずるところがあり、自分の大切な資金を投じるからには徹底的に分析した方が良いということに繋がると思います。
失敗に囚われるな
ある時、本多氏に青年から事業で蓄えた資金の一部をペテン師に騙されて、失ってしまったと相談があったそうです。
然し、その若者はまだまだ手元に資金が残されており、本多氏は彼にこうアドバイスしました。
失った資金の為に、残りの資金まで失うつもりか、騙されたのは自分の責任なので未熟さを反省し、取り返せないお金の為に時間を浪費したりヤケになるようなことになれば取返しのつかないようなことになる。
失敗を社会学の月謝とみることにより、人生を有意義に過ごすことが出来ると。投資でも大きな損失を蒙った経験があるという方は多いのではないでしょうか?
大切なのは、その失敗の原因に向き合い、真摯に研究して同じ過ちを起こさない前向きな思考法であると説いているのです。
また失敗は社会大学における必須項目で、この過程を経ないものは真に成功を収めることが出来ないと失敗の重要性について説いています。
私もプロフィールに書いてある通り、リーマンショックのような失敗を経て反省して投資手法を変えてここまで来ているので、投資も失敗を糧に学んでいきましょう!
宝くじや競馬で当たった人の運命
本多翁が競馬にあたった若者を例に説明しています。
一年間の学費が72円の時代に1000円の競馬の大当たりをした学生がいたそうです。(ここからも分かるように、インフレは恐ろしいものです。私の時代の東大の年間学費が55万円だったので、単純に明治の時代からのインフレは8000倍という感じですね)
→ 日本で想定されるインフレと対策についてわかりやすく徹底解説!インフレヘッジに適しているのは「株式」「金」「不動産」のどれ?
すいません話がインフレという横道にそれましたが、この学生は最初は大金を受け取ることに躊躇しましたが、徐々に使い慣れてきて忽ち放蕩生活をはじめ怠け癖がつき、消息が消えたという状況となったみたいです。
近年でも良くテレビで特集されているように、宝くじで当たったような人は最初は謙虚に使いますが、徐々に大盤振る舞いしてしまい最終的に一文無しになり、そのころには浪費癖がついているので最初より貧しくなるという事例が良くきかれます。
本多翁の経験からもこの類の小成金の人達は同じような道をたどった人ばかりであったそうです。
彼曰く真の金儲けというのは、徐々に、堅実に、自己の本職本業を守って努力を積み重ねていく外ないと指摘しています。
投資でもいきなり年率50%とか100%といった大きな利回りを狙って危険な投資をするのではなく、10%程度の利益を徐々に着実に積み重ねていくべきであるということですね。
Win-Winの関係の構築
本多静六翁風にいうと儲けるには儲けさせよという言葉なのですが、現代風にいうとWin-Winの関係の構築ですね
儲けようと思えば人にも設けさせ、人に儲けさせれば自然に自分も儲かってくるという信条です。この話を聞いて私が思い浮かんだのは私の投資している日本のヘッジファンドの投資手法です。
私の投資しているファンドでは伝統的なバフェットの師のベンジャミン・グレアム氏の提唱したバリュー株投資(参照:ベンジャミン・グレアムの投資対象『ネットネット株』を分かり易く解説)を実践しているのですが、一つ欠点があります。
割安に放置されている銘柄は、市場からの注目が少ない銘柄である為、万年割安株として放置されるリスクがあるのです。
そこでグレアムの作ったグレアム・ニューマンファンドという世界発のヘッジファンドや私の投資しているヘッジファンドでは、割安株の株を大量に購入して株主として経営陣に株主価値最大化の提言をします。
これは自己株買や増配、経営改善策などなのですが、これが実行されれば株主である企業の経営者も自身の価値が増大し儲けさせることが出来るのです。
彼ら自身が儲けることができるのであれば、その施策は実行に移されやすく結果として株主価値の最大化によって市場の注目をあび株価が正常な値まで急騰するのです。
正に他者(経営者)を儲けさせ自身(ファンド)も設けるという手法を取っているんですね。
サラリーマンとしての処世術①:嫉妬の怖さ
実は本多翁はあまりにも貯蓄と投資で大きな金額を資産として築いてしまった為、大学の学士会の寄付金として1000円を投げ出し(当時の年俸が100円に満たない時代です)た時のことです。
そのあまりの金額の多さに学者であるにも関わらず、よからぬ相場で儲けている。このような相場師を神聖な大学の学舎にいれるべきではないと辞職勧告を同僚からうけたことがあるそうです。
最終的には貯蓄と真っ当な投資で財を築いたことを納得してもらい事なきを得たそうですが、彼はここから重要なことを学びました。
普段から驕っていたいたために、よからぬ嫉妬を産んでしまったことが原因だと反省したのです。
昔サラリーマンの伯父が女の嫉妬より男の嫉妬が怖いと言っていたのを思いだします。サラリーマンをする上では、他人に配慮し出来うる限り嫉妬を買わない生き方を勧めています。
サラリーマンとしての処世術②:謙虚さもほどほどに
本多氏は現東京大学農学部を首席で卒業後、ドイツ留学を経験した為帰国後には教授になることを打診されたみたいです。25歳の若さでです。優秀どころのレベルではないですね。
しかし、自分の恩師の方々が助教授だった為に、流石に上にいくわけにはいかないと教授を辞退し、助教授に甘んじました。
当時は良いことをしたと自分を誇らしく思ったらしいですが、その結果出世が大幅に遅れ、給料が低い時代本当に苦しい思いをしたということもあり、本多氏は過度な謙遜はすべきではないとの教訓を得ました。
その為、後年何かを依頼される場合は出来る限り高い地位と権限を要求するようになり、それによって高い結果を出してきたと自負しています。投資家としてではなく85歳の諫言ですね。
まとめ
本多静六氏は貯蓄王、投資家としてだけではなく、人生の教訓についても纏めて財産の告白で触れています。
明治の偉人の考えに触れてみて、相場で勝つ人の考えは古今東西問わず割と似ていることを発見できましたし、人との付き合い方についても学ぶことが出来ました。
また彼のような日本の偉人の考えについて折りに触れて纏めていきたいと思います。

資産を大きく増やすにはどうすれば良いのでしょうか?
マザーズの小型ベンチャー株に思いっきり資金を投入。一か八か、株価が急騰を願ったり、信用取引でレバレッジを思いっきりかけてみるのも良さそうです。仮想通貨の草コインも人生一発逆転があるかもしれません。
断言します。上記のような思考の方は一生資産が増えません。そもそも一発の取引で大儲けを狙えるというのは、同じく容易に資金を溶かす可能性も高いということです。そんなものは投資とは言えません。投機と考えても質が低いです。もう少し丁寧に資産の扱い(延いては人生)を考えてみましょう。思考をガラリと変えてみましょう。
大事なのは「リターンが小さくても確実にプラスを、時間をかけて積み重ねていく(複利を生かす)」ことです。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏も投資で最も大切なのは以下の2つのルールとしています。
- 絶対にお金を損しないこと。
- 絶対にルール1を忘れないこと。

この「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねていく(複利を生かす)」という重要性を理解したところで資産運用は始まります。好きな企業の株、高配当・優待目当てのどういうわけか資産が増えない運用方法はやめましょう。クラシック且つ質実剛健な資産運用を行なっていくべきです。
私も資産運用歴はもうかなり長いです。そしてこの思考に辿り着き、プラスリターン×複利運用を実施してからの資産増加スピードは圧巻でした。この哲学を実践している、私のポートフォリオに入っているファンドも今回まとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
