今回は以前海外著名ヘッジファンドマネージャーの報酬ベスト3と経歴について紹介する!で紹介した報酬ランキングトップでルネッサンス・テクノロジーズを率いるジェームズ・シモンズについて特集していきたいと思います。
彼は現在80歳なので、以前特集したレイ・ダリオやポールソンよりは年齢は上ということになります。また彼らとは異なる経歴と数学を駆使した運用手法を持っており、ヘッジファンド業界の変革の先駆者としての地位を確立しております。

ジェームズ・シモンズの生い立ちと経歴
まず彼はレイ・ダリオやジョン・ポールソンとは異なり、経済学者ではありません。
→世界最大の運用資産18兆円を誇るヘッジファンド『ブリッジ・ウォーター・アソシエイツ』を率いるレイ・ダリオを特集する。
→サブ・プライム危機最大の勝者であるジョン・ポールソン!リーマンショック後は運用資産は減少の一途。
彼はもともと数学者だったのです。彼が数学者も目指すきっかけとして有名な話は、彼が彼の父親と4歳の時のことです。
父親がもうすぐガソリンがなくなるという話をした際に、彼はそんなはずはないと言い張りました。それは例えば1Lのガソリンがあり、その半分は500mlで更にその半分は250mlで、、、ということを無限に繰り返しても0にはならないと考えたからです。
これはゼノンのパラドックスといわれるものなのですが、これを四歳の時に疑問に思うって本当天才ですよね。私などまだ足し算も出来ないハナタレ小僧でしたから。
そんな秀才のシモンズ氏は東工大を更に高めた理系最高峰のMITに進学した後、カリフォルニア大学バークレー校での研究を行い、後に天文学や物理学で多用されることになる「チャーン・サイモンズ形式」という理論を論文にして発表します。
数学者としても最高に秀でていた訳です。実際米国での幾何学界の栄誉とされるのオズワルド・ヴェブレン賞を受賞しており、英国紙のファイナンシャル・タイムズ紙からも彼は「最も賢い億万長者」と評されています。
その後、米国安全保障局という仰々しい組織で37歳から4年間、暗号解読の仕事に携わり当時最新鋭技術であったPCとアルゴリズムについての造詣を得ることになります。
そしていよいよ40台の半ばを過ぎた頃に彼は金融業界に足を踏み入れます。きっかけはまたも彼の父親でした。
彼の父親がひと財産を稼いだので、彼が資産運用をしないかと持ち掛け、彼が運用することになったのです。これがルネッサンスの始まりでした。1982年のことです。まだ私が生まれる前からずっと第一線で活躍し続けているのは本当に凄いことだと思います。
ルネッサンス・テクノロジーズの運用手法
最初の二年間は特に運用手法が確立されておらず、彼自身をしてビギナーズラックで大きく成功をおさめたみたいなのですが、その後、株価の動きをみて規則性があるのではないかと考えるようになりました。
そして彼は今まで300名もの博士号取得者を雇い、モデルを構築して現在ではほぼどのような場合であっても収益を獲得できるモデルを構築することができる自動運用(AI運用)を確立することができたと豪語しております。実際後述しますが、成績は素晴らしいものがあります。
そして特徴的なのが、この300名の博士号取得者の中に経済学者が一人もいないという点です。レイ・ダリオやポールソンがマクロ環境をみて割高と思うものを売り、割安と思われるものを買うジョージ・ソロスの流れを組むグローバルマクロファンドなのに対して、彼のファンドは価格の値動きに着目したファンドなので実体経済を分析する必要性がないと考えたのです。
ですので、天文学者や物理学者を雇うことはあっても、最も関係が深いと一見思われる経済学者は一人も雇わなかったのです。現在のルネッサンスの運用手法は「およそ可能な限りの市場で次々と素早く売買を行なう」という手法で、モデルを元にPCに市場の小さな非効率を発見させ短期的に売買を繰り返す手法を主軸としております。
その為、取引を行うPCは出来うる限り取引所に近いところに設置しているという話もきかれるほど、短期的な売買の積み重ねに特化している手法を取っています。
実際私が為替トレーダーを行っていた時も、ルネッサンスが動いてきたという話は噂ベースで聞こえてきて、それは本当に短期的な動きをとる局面がおおく非常にうまいシステムを組んでるなと感じておりました。
為替の世界ではルネッサンス・テクノロジーズは流れにうまくのり収益を得るモメンタム系のファンドとして知られており、頻繁に登場しておりました。
株や債券といった伝統的な金融商品だけでなく、あらゆる機会を収益化しようという試みを有している貪欲さも兼ね備えていることがわかります。
運用成績
運用成績は創設以来の年平均リターンは38%と驚異的な実績を上げています。
因みにあのウォーレン・バフェットですら期間はシモンズより長いですが、年平均24%の利回りとなっているので、如何に凄い成績をだしているかということが分かると思います。
更に彼のファンドは市場が乱高下している時、つまり混乱に陥っている時程大きなリターンを上げています。1994年のアジア危機の際には手数料後で71%、2008年のリーマンショク時では手数料後で160%の利益を上げることに成功しています。
相場の動きをみて短期的なトレーディングを繰り返しているので、大きく市場が揺れ動く少し専門的な言い方をするとボラティリティが高い相場の方が儲けやすいようになっているということが出来るでしょう。
然し2兆5000億円もの資産をこれほどのリターンで運用しているのは驚愕ですね。また彼は報酬ランキングで10年連続で10位以内にランクしており、直近でも良好な成績を残し続けていることを反映しています。
運用総額が17兆円のレイ・ダリオのブリッジ・ウォーターの6分の1の規模であるにも関わらず、彼よりも報酬が多いというのはそれだけ稼いでいいるということの証左といえるでしょう。
まとめ
ジェームズ・シモンズは経済学者ではなく、数学者更には暗号解析者としての実績を積んだ上でヘッジファンド業界に参入し、輝かしパフォーマンスを上げ続けており、管理人個人的にはレイ・ダリオやジョン・ポールソンのファンドに比べて魅力的に映ります。
当然最低投資額は1億円以上であることが見込まれ、なかなか普通の人では手が出せないことが難点といえますが、日本にも彼には劣りますがファンドのパフォーマンス自体は20%以上を出し続けマイナスの運用成績を出したことがないヘッジファンドも存在しておりますので記事下の管理人ファンドランキングを参考にしてみて下さい!

資産を大きく増やすにはどうすれば良いのでしょうか?
マザーズの小型ベンチャー株に思いっきり資金を投入。一か八か、株価が急騰を願ったり、信用取引でレバレッジを思いっきりかけてみるのも良さそうです。仮想通貨の草コインも人生一発逆転があるかもしれません。
断言します。上記のような思考の方は一生資産が増えません。そもそも一発の取引で大儲けを狙えるというのは、同じく容易に資金を溶かす可能性も高いということです。そんなものは投資とは言えません。投機と考えても質が低いです。もう少し丁寧に資産の扱い(延いては人生)を考えてみましょう。思考をガラリと変えてみましょう。
大事なのは「リターンが小さくても確実にプラスを、時間をかけて積み重ねていく(複利を生かす)」ことです。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏も投資で最も大切なのは以下の2つのルールとしています。
- 絶対にお金を損しないこと。
- 絶対にルール1を忘れないこと。

この「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねていく(複利を生かす)」という重要性を理解したところで資産運用は始まります。好きな企業の株、高配当・優待目当てのどういうわけか資産が増えない運用方法はやめましょう。クラシック且つ質実剛健な資産運用を行なっていくべきです。
私も資産運用歴はもうかなり長いです。そしてこの思考に辿り着き、プラスリターン×複利運用を実施してからの資産増加スピードは圧巻でした。この哲学を実践している、私のポートフォリオに入っているファンドも今回まとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
