今回はクリーンテック系の投資信託について分析していきたいと思います。
テックをつけると突然に魅力を感じるのは、先進的なイメージが湧き立つからでしょうね。投資したい、と筆者自身も無条件で思ってしまいます。
しかし、投資は中身を精査せずに実行してはなりません。
今回は「クリーンテック株式ファンド(愛称:みらいEarth S成長型)」を取り上げ分析してみたいと思います。
クリーンテック株式ファンド(愛称:みらいEarth S成長型)の口コミ評判
色々と口コミを見てみました。評判と口コミをインターネットで見る場合に、覚えていてほしいのですが、例えば知らないアカウント(人)が株式銘柄や投資信託の良い口コミ、悪い口コミをしていてもそれを鵜呑みにしてはいけません。
その人が深い分析と考察をした上で出した結論であれば、参考にする意義はあると思われます。
今まで様々な投信を分析してきましたが、筍のようにテーマファンドが毎年生まれていきますね。
運用会社界隈ではSDGsや環境関連が真っ盛りです🥺
環境リーダーズ(野村)
グローバルSDGs株式F(東京海上)
環境・気候変動対策F(アムンディ)
気候変動関連G成長株(UBS)
クリーンテック株式ファンド(大和)
世界インパクト投資F(三井住友DS)
グローバルエクスポネンシャルイノベーション(日興)日興…😂
— うしお@🇯🇵株・🇺🇸株投資 (@ushio_toushi) May 22, 2021
面白いのは
🐰クリーンテック株式ファンド(資産成長型)
🐰インフラⅩベターなのは
🐰iFree S&P500
🐰iFree新興国株式インデックスですかね🐰💞
積立形式がおすすめですが、一括の場合は目先数ヶ月の下落があったとしても目をつむって1年以上先を見据えてください🐰❗— 積立投信ツミラビ🐰💭 (@tousin_yarouyo) January 23, 2021
クリーンテック株式ファンド(愛称:みらいEarth S成長型)とは?
それでは概要を見ていきましょう。大和アセットマネジメントが運用を担当するファンドです。
- ファンドの目的:日本を含む世界のクリーンテック関連企業の株式に投資し、信託財産の成長をめざします。
- ファンドの特色:日本を含む世界のクリーンテック関連企業の株式に投資します。
クリーンテック関連企業に投資するファンドです。
クリーンテックとは何かをまずは理解する必要があると思われます。
クリーンテックとは?
クリーンテックとは、以下のことをさします。
- 環境にやさしい輸送手段の利用
- 代替エネルギーへの移行
- より健康的な食生活と持続可能な食糧供給の実現
- 水資源の保全や再利用
- 廃棄物削減などを促すテクノロジー
そして、そのような取り組みを事業化している会社をクリーンテック関連企業といいます。
特にクリーンテック株式ファンドは以下のテーマに着目して投資を行うとしています。
太陽光発電やハイブリッド自動車、電気自動車などが入ってくると思われます。アメリカのテスラなどもポートフォリオに入ってくるのかどうか、注目ですね。
ESG投資とも言えるような建て付けですね。全世界における環境関連ビジネスは以下のとおり右肩上がりに成長しています。
クリーンテック株式ファンドのポートフォリオ構築方法とファンド方式
ポートフォリオの構築方法は一般的な方法ですね。運用はアクサインベストマネジャーズが担当するとのことでした。
アクサは世界最大級の保険・資産運用グループであるアクサグループグループの一社です。
アクサは元々はフランスの保険・金融グループですね。
ファンド方式はファンズ・オブ・ファンズです。つまりはクリーンテック株式ファンドが我々個人投資家の代わりに、クリーンテック株で運用しているファンドを選んでくれるということです。
2つ手数料がかかることを意味するので、手数料は高くなる仕組みのはずです。
国・地域別構成と投資先業種比率
日本含む世界への投資となっていますが、国別の比率はどのようになっているのでしょうか?
ここからのデータは全て最新の2023年9月末の最新データとなっています。
やはりテクノロジーで圧倒的な進化を誇る米国が最大の44.6%となっています。
日本が入っていないのはとても寂しいですね。やはりテクノロジー後進国なのでしょうか。
国・地域名 | 比率 |
アメリカ | 44.6% |
オランダ | 7.8% |
イギリス | 7.2% |
ドイツ | 5.6% |
スペイン | 4.5% |
カナダ | 3.9% |
フランス | 3.0% |
デンマーク | 2.8% |
台湾 | 2.5% |
その他 | 2.5% |
続いて投資先業種です。資本財・サービス、情報技術、素材、公益事業と想像通りの並びです。
違和感を感じません。具体的な銘柄を見てさらに理解を深めていきましょう。
業種名 | 比率 |
資本財・サービス | 35.6% |
情報技術 | 17.3% |
素材 | 12.2% |
公益事業 | 11.1% |
ヘルスケア | 5.6% |
一般消費財・サービス | 5.4% |
生活必需品 | 4.9% |
金融 | 2.1% |
保有銘柄・ポートフォリオ
では、実際にポートフォリオを見ていきましょう。電気自動車のテスラとドイツのシーメンス以外は日本人は聞いたことない銘柄ばかりですね。
ちなみに2022年5月からの変遷は以下となります。
2023年9月末 | 2022年5月末 | |
1 | シュナイダーエレクトリック | ダーリン・イングレディエンツ |
2 | ウエイスト・コネクションズ | ネクステラ・エナジー |
3 | ザイレム | アメレスコ |
4 | ケイデンス・デザイン | シュナイダーエレクトリック |
5 | ネクステラ・エナジー | ウエイスト・コネクションズ |
6 | サーモフィッシャーサイエンティフィック | エヴォクア・ウォーター・テクノロジーズ |
7 | インフィ二オンテクノロジーズ | ディア |
8 | シーメンス | サーモフィッシャーサイエンティフィック |
9 | テスラ | TSMC |
10 | ディア | トリンブル |
資本財を中核に生活産業、公共事業銘柄でアウトパフォームを狙っていくイメージですね。
クリーンテック株式ファンドの運用成績と今後の見通し
ファンドの運用を見ていきます。
基準価額は設定が2020年7月31日で、10,000円。現在は13,000円となっており、設定来+30%となっています。
この間、ドル円が110円から150円に進展しているので、ほぼ為替のリターンと同じですね。
四半期毎のリターンは以下となります。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | |
---|---|---|---|---|
2023年 | 4.73% | 7.38% | -6.14% | -- |
2022年 | -3.01% | -7.40% | -0.28% | -1.18% |
2021年 | 3.32% | 3.41% | -0.66% | 3.64% |
2020年 | -- | 13.10% | 9.50% | 9.73% |
では、この期間の全世界株式の値動きと比較していきましょう。アクティブ投信なのでインデックスに対してプラスのリターンをだしていないといけませんからね。
以下ご覧いただければわかる通り圧倒的に全世界株式(円建)に劣後していますね。
正直いってあまり魅力的な投資先とはいえませんね。
テーマ型投信というのは、テーマが盛り上がった時には株価が上昇しますが、盛り下がると軟調な成績になっていきます。
一度ブームになったテーマが再燃するには、ある程度の時間が必要ですし、最悪今後一切盛り上がることなく廃れていくという可能性も排除できません。
また、全世界株式も今後インフレ2波の到来と、世界的なリセッションで沈んでいく可能性が高くなっています。
全世界株式が堅調な時ですらクリーンテック株式ファンドは下落していたので全世界株式の下落局面となった時は恐ろしいですね
まとめ
まだまだ新しいファンドでありクリーンテックは注目される分野であり面白いと思います。
ただ、面白さとリターンは別個であり、ポートフォリオの構成を見る限りでは金融引き締めの期間に絶対に投資をしてはいけない類のバスケットになっています。
このようなテーマ株を取り扱うファンドの購入検討はもう少し先で良いでしょう。