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【セゾン資産形成の達人ファンド】暴落時に危ない?筆者が投資をやめた理由とは?評判のセゾン投信をBMキャピタルと比較しながら徹底評価!

【セゾン資産形成の達人ファンド】暴落時に危ない?筆者が投資をやめた理由とは?評判のセゾン投信をBMキャピタルと比較しながら徹底評価!

「セゾン資産形成の達人ファンド」はセゾン投信の旗艦ファンドです。

リーマンショック前の2007年から運用されており、現在純資産額は1200億円というレベルに到達しています。日本を代表する独立系の投資ファンドといえます。

 

2007年運用開始ということは、リーマンショックを即被弾したことがわかりますが、2023年を迎えてみると黄金の15年間で運用ができた非常に恵まれたファンドであると言えます。

運用開始すぐにリーマンショックがあったことも、資産規模が小さい内に暴落がきたことで非常に運が良かったのです。

運用状況(2007年3月15日~2023年9月29日)

 

セゾン資産形成の達人ファンドは現在、日本の独立系投資信託の先駆けとして名を馳せています。

セゾン投信にはセゾン資産形成の達人ファンド以外に「セゾン・バンガードグローバルバランスファンド」があります。

後者は債券と株式を半々に組み入れています。どういうわけか金融の窓口ではこちらをおすすめされるのですよね。

達人ファンドは株式100%で運用されていますのでリターンがよく人気が高まっています。

 

実際、筆者も以前は投資をしていましたが後述する「ある理由」で投資をやめて他のファンドに移し変えました。

今回は筆者の投資している同じく独立系の投資ファンドである、BMキャピタルと比較しながらセゾン資産形成の達人ファンドの分析をしていきたいと思います。

 

運用スキームの比較

セゾン資産形成の達人ファンドとBMキャピタルの運用スキームの比較をみていきましょう。

 

達人ファンドはファンド・オブ・ファンズ形式で運用

セゾン資産形成の達人ファンドはファンド・オブ・ファンズ形式で運用されています。

ファンド・オブ・ファンズとは投資信託に投資をして運用している投資信託です。セゾン資産形成の達人ファンドの運用ポートフォリオは以下の通りとなっています。

 

セゾン資産形成の達人ファンドの運用ポートフォリオ

セゾン資産形成の達人ファンドの運用ポートフォリオ

ファンド名 比率
バンガード 米国オポチュニティファンド 21.9%
アライアンス・バーンスタインSICAV
- コンセントレイテッドUSエクイティ・ポートフォリオ
10.0%
BBH・ルクセンブルグ・ファンズ- BBH・コア・セレクト 10.0%
コムジェスト・ヨーロッパ・ファンド80 (適格機関投資家限定) 26.9%
スパークス・集中投資・日本株ファンドS 2.8%
スパークス・長期厳選・日本株ファンド 4.7%
コムジェスト日本株式ファンド (適格機関投資家限定) 4.3%
FSSAアジア・フォーカス・ファンド 10.2%
コムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンド90 (適格機関投資家限定) 3.8%
フォントベル・ファンド -mtxサステナブル・エマージング・マーケット・リーダーズ 3.6%
短期金融資産等 1.9%
合 計 100.0%

 

投資信託に二重で投資することになるので手数料は二重で発生することになります。

では投資家としてはセゾン資産形成の達人ファンドの投資しているファンドに直接投資すればいいのではないか?

と疑問を持たれた方も多いと思いますが、それができないのです。達人ファンドが投資しているファンドは私募ファンドです。一般投資家はアクセスすることができるのです。

 

BMキャピタルは合同会社の持分権販売スキーム

筆者が投資しているBMキャピタルは私募ファンドです。BMキャピタルは合同会社の持分権販売スキームという形で資産を募集しています。

詳しくは以下でお伝えしていますので参考にしていただければともいます。

→ BMキャピタルはポンジスキームなのかを徹底検証!解約することは可能?

 

投資対象地域を比較

それでは投資対象についても比較していきましょう。

 

全世界に分散投資している達人ファンド

セゾン資産形成の達人ファンドは世界の株式に分散投資しています。以下は世界株式市場の時価総額加重平均と比較した図です。

国 名 セゾン資産形成の
達人ファンドの
投資比率
MSCI All Country
World Indexの時価
総額に基づく比率
差 異
アメリカ 43.1% 61.9% -18.8%
日本 12.6% 5.5% 7.1%
フランス 5.4% 3.0% 2.4%
中国 5.3% 3.3% 2.0%
インド 4.1% 1.5% 2.6%
スイス 3.8% 2.5% 1.3%
オランダ 3.6% 1.1% 2.5%
アイルランド 3.0% 0.2% 2.8%
イギリス 2.9% 3.6% -0.7%
デンマーク 2.5% 0.7% 1.8%
韓国 1.7% 1.3% 0.4%
ドイツ 1.6% 2.1% -0.5%
台湾 1.5% 1.6% -0.1%
イタリア 1.5% 0.6% 0.9%
スペイン 1.3% 0.6% 0.7%
インドネシア 1.1% 0.2% 0.9%
ブラジル 0.9% 0.6% 0.3%
シンガポール 0.7% 0.4% 0.3%
ポルトガル 0.7% 0.1% 0.6%
香港 0.7% 0.6% 0.1%
メキシコ 0.4% 0.3% 0.1%
スウェーデン 0.4% 0.8% -0.4%
オーストラリア 0.3% 1.8% -1.5%
タイ 0.2% 0.2% 0.0%
南アフリカ 0.2% 0.4% -0.2%
アルゼンチン 0.2% 0.0% 0.2%
ニュージーランド 0.2% 0.0% 0.2%
ベトナム 0.1% 0.0% 0.1%

 

セゾン資産形成の達人ファンドは米国の比率を低めて日本と欧州の比率を高めに運用がなされています。

欧州ではフランスがトップになっています。中国も5%程度入っていますね。

 

BMキャピタルは日本株に投資

一方のBMキャピタルは日本株に投資をしています。

日本株は世界的にみても割安な水準で放置されており、尚且つ上場企業数が多いのでBMキャピタルが得意とするバリュー株投資と非常に相性がよいのです。

また、当然日本国内に拠点があるからこそ出来る投資手法が存在しています。これは次の項目でお伝えします。

 

運用手法の比較

では両者の運用手法の比較を行なっていきましょう。

 

分散投資を行うセゾン資産形成の達人ファンド

セゾン資産形成の達人ファンドは投資信託に投資していることから分かる通り、かなり分散を効かせています。そもそも分散している投資信託に更に分散投資しているわけですからね。

合計すると1000近い銘柄に分散投資をしています。達人ファンドが投資しているファンドの運用方針は異なるので一概に戦略が存在しているわけではありません。

 

BMキャピタルはバリュー株投資とアクティビスト戦略の複合戦略

BMキャピタルは割安な日本株の中から真の割安株を探し出して投資します。単純に指標で選別するわけではなく、ベンジャミングレアム流の本格的な手法で銘柄選択を行なっていきます。

企業のバランスシートを精査して銘柄を選定していくのです。

「ネットネット株の弱点」をアクティビスト戦略で補完!BMキャピタルが行う本格的なバリュー株投資戦略

 

そして、BMキャピタルは1銘柄あたりに大きな金額を投資して大株主となります。そして大株主として株式価値を引き上げる提言を株主総会などを通じて積極的に行なっていきます。

実際、自社株買や費用の削減などを実施させており株価を能動的に引き上げていくのです。以下で具体的な例を記載していますので参考にしていただければと思います。

 

アクティビスト戦略

 

運用成績の比較

では、重要な運用成績の比較をしていきましょう。

 

価格変動幅は大きいものの長期的に価格を押し上げている達人ファンド

セゾン投信の基準価格の推移は以下となります。リーマンショックの2007年から15年間で約3倍となっています。

 

運用状況(2007年3月15日~2023年9月29日)

 

長期的にみると素晴らしいリターンですが、度々暴落を起こしています。特にリーマンショック時には基準価格は半減しています。

この際は規模が小さかったので良かったと思いますが、今の規模で半減となってしまうとファンドとしては一気に窮地に陥るでしょう。

ただ、よくみるとリーマンショック以外にも20%程度の下落を何度も被っています。

 

インデックスファンドのボラティリティが高いことは周知の事実です。

そのボラを抑えるためにファンドに預けたいのにしっかり暴落も被弾してしまうのは、投資家として大金を預けている場合は気が気ではありません。

リターンの裏には、ハイリスクがあるということですね。しかし、資産運用とは本来リスクを可能な限り排除することなのです。

 

BMキャピタルの安定したリターン

一方のBMキャピタルも年率リターンとしてはセゾン資産形成の達人ファンドと同程度です。

BMキャピタルは2012年からの運用なのでトラックレコードは若干短いものの、10年以上の運用なので十分です。

 

BMキャピタルの特徴は「下落耐性の高さ」です。BMキャピタルは綿密な調査によるバリュー株投資を実践することで価格の下落を回避しつづけているのです。

BMキャピタルは運用開始以来何度も調整局面がありました。しかし、このような局面でもBMキャピタルは下落することなく安定して資産価格を押し上げていきました。

BMキャピタルの運用のイメージ

 

減らすことなく徐々に資産を伸ばしたいという方にとっては最適な選択肢となるリターンといえるでしょう。上記の性質から筆者はBMキャピタルを主軸においてポートフォリオを組んでいます。

【BMキャピタル】評判の和製ヘッジファンド「BM CAPITAL」の運用実績や口コミを含めて徹底評価!

 

2024年以降はセゾン資産形成の達人ファンドが危険の理由とは?筆者が投資をやめた理由を解説!

BMキャピタルは市場平均に連動しない安定した成績を目指すヘッジファンドです。相場の状況をそこまで気にする必要がありません。

一方、セゾン資産形成の達人ファンドは世界の株式市場の成績に概ね連動した動きとなります。そして世界の株式市場の趨勢を決定づけるのは世界の時価総額の6割を占める米国の株式市場です。

 

そして、2024年の米国株市場は厳しい展開になることが想定されています。米国では2022年以降、インフレ率が年率9%超えという驚異的な数値を叩き出しました。

米国の中央銀行であるFRBはインフレを抑え込むために政策金利を引き上げ更にバランスシートを圧縮し続けています。政策金利も5-5.25%となりました。

米国の政策金利の推移

 

株式市場は金融政策の影響を大きく受けます。金利が高くなると株価のバリュエーションが下落するので、同じ利益を出していたとしても株価は減少する結果となるからです。

2023年の相場は反発していますが、これは大型テック株にAIブームと称した資金の流入があったからですが、流石に限界が来ているように思います。

本来相場の上昇とは中小型株も伴って上昇するものです。大型株のみ上昇しているなど相場の脆弱性が露わになっていると言っても過言ではないでしょう。

S&P7とSP493の上昇比較

 

特に急速に引き締めを行う局面では大きく株価が下落する傾向があります。つまり、2023年はセゾン資産形成の達人ファンドに投資するのは危険な局面なのです。

一方、BMキャピタルはそもそも清算価値よりも低い株価となっている銘柄に投資を行います。

そのため、特に市場環境に関係なくリターンが望めて実際、今までも市場環境とは関係なく安定したリターンを叩き出しています。

 

BMキャピタル詳細ページ

 

まとめ

セゾン資産形成の達人ファンドとBMキャピタルを比較してきました。まとめると以下の通りとなります。

達人ファンド BMキャピタル
スキーム ファンド・オブ・ファンズ 私募ファンド
投資対象 全世界株 日本株
運用手法 分散投資 バリュー株
&
アクティビスト戦略
リターン 年率10% 年率10%
下落耐性 50%下落はありうる 下落した年はなし

 

筆者としては米国が金融引き締めを行うことを明言している2022年という局面を考えるとセゾン資産形成の達人ファンドに投資するのは危険であると考えています。

暴落を回避しながら安定して10%を狙う投資先で富裕層を目指そう!

資産運用

 

厳選投資先ランキング

 

大きな資産を構築するためには複利の力を利用しながら長期投資を実現する必要があります。

投資家が長期投資を実践するためには暴落に巻き込まれないというのが必要不可欠な条件となってきます。

リーマンショックのように一気に資産が半減以下になってしまうと冷静さを失い狼狽してしまい投資から足を洗ってしまう可能性が高いからです。

 

行動経済学のプロスペクティブ理論でも示されている通り、人間はたとえ非合理的であったとしても損失回避的な行動を行うことが示されています。

特に貯金こそが正義であるという思考に長期間慣れ親しんでしまった日本人には顕著な傾向なのではないでしょうか?

暴落に巻き込まれ投資を辞めてしまうと、そのあと得られていたはずの利益を失うことになり膨大な機会損失が発生してしまうのです。

 

そのため損失を回避または抑制することが長期運用を行う上で最も重要なポイントとなります。

株式市場の下落局面を回避しながら安定して10%程度のリターンを積み上げ複利で回せると大きな資産を構築することが可能となります。

年利10%ときくと地味に聞こえますが7年で資産を倍増させることができますし、17年後には5倍に資産を増大させることができます。

 

上記を実現する投資先として投資先(ファンド)を選ぶポイントは非常にシンプルであり、以下の点を重視すれば大きくはずすことはありません。

 

  1. 相場環境に左右されない安定した運用実績を挙げているか?
  2. 一流のファンドマネージャーが確固たる戦略や投資理念に基づいて運用しているか?
  3. 運用実績がある程度ながく運用資産額も着実に増加しているか?

 

上記の点に基づいて30代で1億円以上の資産を構築した証券アナリストでもある筆者の視点で様々なファンドを分析した結果を以下の記事でまとめています。参考にしていただければと思います。

 

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